アイヌ文化フェスティバル



そういうわけで、ムックリ↓演奏にはまっているanmoniteです。
http://www.frpac.or.jp/ins/mukuri1.html
びよ〜んびよ〜んとけっこういい音が出ます。
続かないけど…。
北海道出身の選手の応援にみんながこれを鳴らしたら面白いかも。


ムックリは本日開催された「アイヌ文化フェスティバル」
の参加者全員に配っていました。


新聞などで、同フェスティバルが行われることが
ご存知な方もいらっしゃったと思いますが、
行こうと思ったきっかけは、
世界各地の民族衣装やグッズが好きなのにもかかわらず、
日本の少数民族であるアイヌについて何も知らなかったからです。


場所は東京国際フォーラム
衣装や工芸品の展示や刺繍の実演、
ステージでは講演、トンコリ演奏、アイヌ古式舞踊が演じられました。


講演は千葉大学大学院教授、中川裕氏による「アイヌ語教育の未来」。
以下内容です。


1997年に「アイヌ文化振興法」が制定され、それから約10年がたちました。
この10年で変わらないことは、アイヌの基本的なことが
一般にはあまり知られてないこと。
例えば千葉大で「アイヌ人の人口は何人だと思いますか」
というアンケートをとると、実際は約2万4000人なのにもかかわらず
1000人以下、5000人以下という回答が圧倒的に多いとか…。


そして変わったことは、アイヌの言語を学ぼうとする若い世代が
目立ってきた、ということです。
ちなみに、アイヌ語を学ぶ人のほとんどは、
アイヌのルーツを持っている人だそうで、
東京の「アイヌ文化交流センター」でも、
学習者全員がアイヌの人だとか…。


中川裕氏も、冒頭で「今回は関係者が多いから」とおっしゃってましたが…。


アイヌ語は大学や(関東だと早稲田、和光、千葉、東京外語大で学べる)
放送大学、また今回のフェスティバルの主催者である、
財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構の関連施設で学ぶことができます。
http://www.frpac.or.jp/index.html


同機構では、アイヌ語普及事業として、アイヌ語の弁論大会を行っており、
ここ数年、参加者や受賞者に10代〜20代の若者が増えている。
また、アイヌ語指導者の育成も行っていますが、
ここでも30代以下が急増中とのこと。


若い世代が育ちつつあるのは良いことなのですが、
アイヌ語学習者同士が交流したり、
アイヌ語を勉強する場が極端に限られているので、
学習者の「学びたい気持ち」をいかにつぶさないようにするか、というのが
今後の課題である、とのことでした。


これはマイナー言語を学ぶ人間の共通の悩みだと思います。
上級者になればなるほど、学習教材や、
自分のレベルにあった学習場所を見つけるのが困難になります。


学習者のモチベーションを維持するためには、
アイヌ語が使える場をふやす、
アイヌ語学習の威信を高めることが大切という結論で終わりました。


「威信」というのは要するに「かっこいい」。
例えば韓流ブームで韓国人スターが注目され、
韓国語を学ぶ人が増えましたが、
アイヌからも韓流スターみたい流れが出れば、
アイヌ語を学ぶ人の励みになるのでは、ということです。


た、たしかに学んだ言語の「使える機会の多少」は
モチベーションと、あと学んだレベルの維持に
ものすごくかかわってきます。


トンコリ演奏は星野工氏、星野美希氏。
済んだ音で、自然の美しいところで育った楽器なんだな〜と思いました。


アイヌ古式舞踊は釧路リムセ保存会16名。
その中になんと、タイの山岳少数民族「アカ族」の青年がいて、
紹介されてました!


この会はアカ族と交流があって、
青年は将来はNGOを立ち上げる希望があり、
アイヌ文化の保存のノウハウを見ようと
研修としてやってきたらしいです。


それで、アイヌの人が、民族舞踊を「練習」しているのに驚いたそうで
(アカ族では、日常的に踊っているので練習の必要がない)
そのリアクションに保存会の方々も、
「本来なら日常にあるべきものだ」ということを痛感されたそうです。


ステージを見て
アイヌの舞踊や音楽を継承していくのに手一杯で、
まだお客さんに見て楽しんでもらえる、商業のレベルでないというか…。
演じる方も見る方も、「お勉強」の段階なんだな、ということを感じました。


それは手工芸品の展示販売でも思ったことで、
踊っている人の衣装は可愛かったので、
これを今風にアレンジしたのが着たいけどそんな商品がない…


それで、話はいきなり沖縄に飛ぶのですが、
沖縄の音楽(ポップス)とか、料理とか(まあゴーヤチャンプルーくらいですけど)
…私が住んでいる関東でも普通に楽しんでますよね。


でもアイヌはそうじゃない。


どうしてなんだろうって色々考えました。
沖縄は島だから文化が成熟しやすかったとか…
でも、でた結論は


喜納昌吉が出現したから。。。。


アイヌも、固有文化をポップスとして昇華できる人材が出たら
文化の振興につながるのでは…と思いました。


なんかキック界の現状とも似てるよな、とか
いろいろ考えさせられる催しでした。


主催の「財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構」のウエブサイトを
よく見ると、「アイヌ文化フェスティバル」の東京公演は
毎年この時期に行われているみたいです。


今回見逃されたかたも来年はぜひ!
ムックリ面白いです〜